”「悪貨が良貨を駆逐する」のはビジネスの本質” 第5章「世界標準の経営理論」@オンライン読書会④

12月24日 クリスマスイブの夜に第4回目を開催しました。
「クリスマスイブの夜に成立するかしら~」と、ドキドキでしたが(ま、自分ひとりでもやるつもりでしたけどw)、何はともあれ、成立してよかったよ~(#^.^#)
しかし、ご参加いただいた人数が少なかったということもあり、いつもより対話に多くの時間を費やすことができまして、いつも以上に何か深い考察を得たような回となりました。
ま、今回のテーマがテーマであったということも随分と影響していることは否めないでしょうが(笑)。

この章は、第1部の経済学ディシプリンの経営理論として紹介されていますが、経済学ディシプリンの経営理論を考察していく上では、忘れてはならない「前提」というのがあります。それは、
「人はおおむね合理的に意志決定をする」
っていうことです。この前提、この第1部で紹介されている理論ではホント、肝ですよ(^_-)-☆

さて、本題に入りますが、そもそもビジネスの場においては、なぜ「悪貨が良貨を駆逐する」ってことが起こるのかってことですが、それには、組織、人のビジネス取引・やりとりにおける「情報の非対称性」に起因するのだということ。
「情報の非対称性」に起因し、「人がおおむね合理的に意思決定」をした結果、起こることが「アドバース・セレクション」であり、これが「悪貨が良貨を駆逐する」状態であるそうです。
その(アドバース・セレクション)の解決法として2つが紹介せれてます。
1つ目が「シグナリング」、2つ目が「モニタリング」(それぞれがどういうものなのかは、書籍をご参照くださいw)。

章の最後に著者自身の「情報の非対称性」への対峙する視点を記していて、それが以下です。

ってことを、一通りなぞったあと、それぞれの気づき、そしてこの理論と関係する、あるいは説明しうる自分の身の回りに起こっている事象について書いてみた。。。からの、対話。

この対話での発展がかなり面白かったです。
それぞれの気づきの分かち合いから、共通の認識として「アドバース・セレクション」は、日常のあらゆるところで発生していると感じている、ってことがわかりまして、それは例えばどんなところで起こっているのかって話になりました。
ここに書いてある通り、
「同一の業種や業界の中で起こっているよね」
「よい社会にしていうためには、アドバース・セレクションの解消が重要なんだよね」
「けど、中々、世の中からはなくならないのはなんでだ?」
って話題になり、さらに会話が発展して
「いやいや、アドバース・セレクションは競合組織や企業の間だけで起こっているのではなく、組織内の部署間でも起こっているんじゃ?もっというと、個人個人の間でも起こっているんじゃない?」という話になり、
「例えば、”言ったもの損(言い出した人が火中の栗を拾うことになる)”とか、”正直者がバカを見る”って話、どこの組織でもあるあるじゃん?!これって、個人個人の間でアドーバス・セレクションが起こってるんじゃないの?!」って。

「解消法として「シグナリング」と「モニタリング」ってなってるけど、みんな(組織も人も)そっちに知恵を絞るんじゃなくて、ゲーム理論(第8章、第9章で紹介されている理論)の中で生きているし、そこでの生き残りに全集中してるんじゃない?」
「だから、人間関係が殺伐としている(本来は仲間として協力し合う者同士が、ゼロサムゲームをやっている)んじゃない?」
「本当に「シグナリング」と「モニタリング」だけじゃ、解決できないから、今、組織はすくみ足状態になってるじゃ?」
  ・(対話はさらに発展)
  ・
  ・
「で、結局、「目利き力」ってどうやって身に着けんのよ?”経験による学習”って、どんな経験を重ねることが「目利き力」を養うことになるの?」
「そもそもその嗅覚って、そんなに簡単に身に着けられるものじゃないよね?」



こんな風に、対話を通じてひとつのことを様々な視点から見ていくと、いろいろな疑問や問いが浮かんできます。
この本は、起こっている問題への「正解」や「解決策」を提供するためのものではなく、問題に向き合い、この社会を組織や人が生き抜いていくために自らの頭で考える「思考の軸」として世に出された(著者の入山先生が強調してます)ものです。
私は、この本で紹介されている理論を「共に学ぶ」ということは、この本で紹介されている理論を通じて「共に育つ」きっかけに過ぎないと思っています。

私たち人間は、社会的な生き物であり、仕事をすることを通じて生きる糧を得ています。
人間として生きていく限りにおいて、働くこと、仕事をすること、ということは切り離せないことであり、そいういう意味ではての人は「ビジネス」に関わりを持たずに社会の中で生きていくことはできないはずです。

この本は、私たちの周りで起こっている様々な事象を考える上で、とてもよいきっかけを与えてくれるものであり、それを一人ひとりが深めることで自分で自分の人生を生きる力を育んでいく「思考の軸」を見出していくことができると思っています。

次回の開催は、

第5回  1月 7日(木) 

・「第7章 取引費用理論(TCE)(P32、P133-150)
・「第8章 ゲーム理論①」(P32-33、P151-166)

<申し込み方法>
・興味のある節、章に単発でお申込みいただくことができます。
・各回の申し込み期限は、開催日の2日前の12:00(正午)となります。
(2日前の夜に、参加者による担当の割り振りを行い、担当ページの案内メールを配信します)
全回に一括でお申込みすることも可能です。(申し込み期限は、12月31日です)
 全ての回に一括で 

全回に一括申し込みされた方は、基本、全ての回にご参加頂くことを前提としますが、拠無いご事情で欠席される場合には必ず開催日2日前の12:00(正午)までにご連絡ください。尚、欠席によるご返金はいたしませんので、予めご承知おきください。

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