【開催しました】「世界標準の経営理論」読書会 第17章:ダイナミック・ケイパビリティ理論

第2部 マクロ心理学ディシプリンの経営理論の最終章、ダイナミック・ケイパビリティ理論でした。
現代の経営学で最も風目されている視点の一つだそうです。が、未だ理論としては未確立であり、定義すら学術的には固まってはいないのだそう。
そんな確立途上の理論がなぜ、最も注目されるかというと、ダイナミック・ケイパビリティが「企業の環境に合わせて変化する力」を説明する理論であるが故です。
現代は事業環境の変化のスピードが速く、複雑化している現代において、いかにして事業環境の変化に柔軟に対応し、大きく事業を転換していくことが、企業が生き残り、繁栄していくカギを握っています。

「ケイパビリティ」とは何というと、「様々なリソースを組み合わせなおす(reconfigure)企業の能力」のこと。
様々なリソースとは、技術、人材、ブランドなどの経営資源を指していいます。
そしてさらにそれらのケイパビリティが「ダイナミック(動的)」であること、つまりは常に動き続けている環境下において、企業が持つ様々なリソースをいかに組み合わせて変化していくか、という力を説明しうる理論が「ダイナミック・ケイパビリティ」です。

昨今、事業環境の変化スピードに追随して変化することができずにその命を終えることになった老舗企業(○ナウンとかカ○ボウとか)の多さを見ると、どれだけ企業が過去の成功体験を手放して、事業環境の変化に対応することがその命を長らえるために重要かというが見て取れますし、故にこの未確立である「ダイナミック・ケイパビリティ」という理論が注目されるは大いに頷けるところです。

本章では、ダイナミック・ケイパビリティをを高めるめの3つの視点が紹介されています。

1つ目は「センシング」「サイジング」という考えです。
「センシング(Sensing)」とは、「事業機会・脅威を感知する力」、「サイジング(Seizing)」とは、センシングにより感知した事業機会を実際に「とらえる」こと、です。

2つ目は「シンプル・ルール」という考え方です。
「シンプル・ルール」の骨子は、「変化が激しい環境下で企業がダイナミック・ケイパビリティを発揮するには、数を絞ったシンプルなルールだけを組織に(ルーティンのように)徹底させ、後は状況に合わせて柔軟に意思決定すべき」というものです。

この「シンプル・ルール」の節を纏めてくださった参加者の方が、なんと、2001年のハーバード・ビジネス・レビューに掲載された「シンプル・ルール」の論文をお持ちでして、それを参加者全員にシェアして下さいました(まだ、私は読めてませんがw)。

資料を提供して下さった方によると、どうやら入山先生がシンプルに説明されている程、おおもとの論文はシンプルではなく、結構、難解だとのこと(笑)。読み深めるのが楽しみです(#^.^#)

この「ダイナミック・ケイパビリティ」の学びを終えた後に、これまで学んで来た(はず?w)の第1部と第2部について、「学びの振り返り」をやってみました。
私的には、10回という回数に渡って、割とじっくりと第1部、第2部と学んで来た、、、と思っていたのですが、いざ振り返ってみると、なんだか殆どが記憶の彼方になっている、ということに直面し、こりゃぁ、自分の「思考の軸」として確立するには程遠いなぁ(汗)、ってなりましたw。

参加者の方々も同じような感想を漏らされてまして(よかった。。。私だけではなかったw)、
「もう1クールやっちゃいますか?!w」
な~んていう発言も飛び出し、いやいや、一冊の本を毎週、夜な夜な半年かけて読むなんて、割とおかしな人たち、って思うのですが、さらにもう半年、同じ本を学ぶってどんなおかしな人たちなんだ(爆笑)。
と言いつつも、もういっそのこと極めちゃう?!なんて話で盛り上がってました~www

私にとって本当にありがたいのは、たった1冊の本を題材にして「あ~でもない、こ~でもない」という対話から、自分ひとりで読んでいたのでは得ることができない発想や視点に出会えること、そして、何よりも、そういう違った視点や発想を分かち合う対話から生まれる共感が紡ぎあげる参加者同士の関係性の深まりです。

それぞれが、それぞれの場所で、それぞれの組織で何かを実践するってことに挑もうっていう思いを持った人たちが集い、対話をする場によって、決して一人では得ることができない「価値」を手にすることができるのだ、ということを実感させてくれる場と機会と、集って下さる「意志」「意図」を持った参加者の皆様に感謝です。

まだまだ、学びの旅は続きます。(実はまだ、折り返し地点にも達していないw)
これからの「知の探索・知の深化」の旅は、益々、楽しさを増すことでしょう!
これからもどうぞよろしくお願いします(#^.^#)

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