【開催しました】「世界標準の経営理論」読書会15 第26章:ストラクチャル・ホール理論/ 第27章:ソーシャルキャピタル理論

インターネットとSNSの登場で、人と人とが時空を超えて無尽蔵に繋がり形成するようになり、ネット世界上のどこかで発信された情報が瞬時に人々に拡散されるようになった現代社会。今は、インターネットにさえ繋がれば、ありとあらゆる情報をいつでも、どこでも、そして誰もが手にすることができるようになりました。
こうした人と人、組織と組織の間のつながりを総称して「ソーシャルネットワーク」と言います。

今回の「ストラクチャル・ホール理論」「ソーシャルキャピタル理論」は、そのソーシャルネットワーク上において「優位性」を持つ繋がりの理論と、ソーシャルネットワークの塊(クラスター)同士の「接合点となる人や組織:ブローカー」の役割と、これからの社会への可能性を紐解く理論です。

経営理論】ストラクチャル・ホール理論-前半-【理解と実践】|ProgLearn - エンジニア・ビジネスマンに贈るお役立ち情報メディアA、B、Cという3人がいた時、CはAとつながり、Bともつながっているが、AとCは繋がっていない。(A-C-Bをつなぐルートを「ブリッジ」という)
このソーシャルネットワーク上で、Cはネットに流れる情報を最も効率的に手にいれながら、しかもその情報をコントロールして利用できる結果、CがAとBよりもはるかに優位に立つことができる。このように、ソーシャルネットワーク上で「つながっていないプレイヤー同士の媒介となり、それを活かして優位に立つ」ことを、ブローカレッジといい、Cに便益をもたらすネットワーク上のAとBのすき間(hole)を、ストラクチャル・ホール(構造的なすき間:SHと呼ぶのだそうです。
また、SHに囲まれてブローカレッジを活用できる位置にいるプレーヤー(C)を、ブローカーと呼ぶのだそうです。

同章の中で、「ストラクチャル・ホールは商売の基本」であり、「イノベーションの突破口」である、と述べられています。そのキーとなるのが、バウンダリー・スパナ―と呼ばれる人であり、バウンダリー・スパナ―とは、企業と企業、組織と組織、部門と部門、地域と地域などの「協会を超える」人のことです。
このバウンダリー・スパナ―が(境界を越えて)異なるソーシャルネットワークを行き来し、それぞれのソーシャルネットワークを繋げる触媒となって、新たな情報や知を往来させ、イノベーションの種を運ぶのだそうです。

しかし、バウンダリー・スパナ―となりうるのはこれまでの「T型人材一つ専門性の軸を深く縦方向に持って、後は多様な知見を持つ(横に長い軸を持つ)人材」と呼ばれる人ではなく、「H型人材:2本の軸(2つ(以上)の専門性)を持ち、その間を往復している人材」と呼ばれる人なのではないか、そして、これからの時代に必要なのは、境界を超える「H型」のバウンダリー・スパナ―である、と結んでいます。

このH型人材の代表として、伊佐山元氏(ベンチャーキャピタルWiL)と安宅和人氏(ヤフーCSO、慶応義塾大学教授)が紹介されているのですが、なんだか経歴も現職も凄すぎて私と遥か彼方のかけ離れた遠い「理想郷」のような感覚を抱きながらこの章を読み終えることになりました(-_-;)。

確かに、これからは間違いなくH型のバウンダリー・スパナ―が何かしらの変革のきっかけを運んでくるには違いないということは、ものすごくわかるし、納得感も高いです。。。が、、、そんな(伊佐山氏や安宅氏のような)超スーパーH型人材なんてかなりなレア中のレアなんじゃ。。。
そこまでスーパープロフェッショナルな専門性2軸を持ってないと、バウンダリー・スパナ―とやらにはなれない???。。。って、わけじゃないですよね。。。(-_-;)

ってか、普通に組織で普通に働いている「名もなき(著名じゃないという意味)人」が、バウンダリー・スパナ―になって、自分の職場や部署に新たにイノベーティブな種を芽生えさせたりとか、中小企業のバウンダリー・スパナ―が他の中小企業と結びつくことで、なんだかすごい価値が共創される、ってことも、もちろんあるのですよね!この話って。(って思わないと、私からは遠すぎて、単に「理論を知っているだけの人」になっちゃうなと。理論は実践で(自分の身の回り、手が届くところで)活用してこそ意味があると思っているし、そういう学び(単に知識として知っていりるだけ)はこの本を学んでいる私の本意ではないので、無理やりにでもこじつけてやる。。。って感じっすね(^_^;))。


もう一つのソーシャルキャピタル理論の方ですが、さらにモヤモヤ爆裂で(理論はわかるし、納得感もあるし、それを実現していくことで企業経営は成長をもたらすのであろう、ということもよくわかる)。。。が、、、しかし、、、そう理論通りにいかないっていうのが、人間が企業を経営し、組織を運営するってことなんだろうと思ったりして。。。
このあたりのモヤモヤな感じを言語化できたら、書きたいと思います。

第16回 3月25日(木) 

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・「社会的つながり」を前提とした、その他の主要理論(P436)
・「第28章 社会学ベースの制度理論」(P436、P518-536)
・「第29章 資源依存理論」(P437、P537-555)

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