【開催しました】「世界標準の経営理論」読書会 第7章:取引費用理論(TCE)・第8章:ゲーム理論①

2021年、明けましておめでとうございます(#^.^#)
本年もどうぞOD-PLANETをご愛顧のほど、よろしくお願いします。

年明け早々、日本中(いや、世界中)がコロナ感染拡大で揺れておりますが、2021年明けての「世界標準の経営理論」読書会@オンライン、開催しました(先は長いw。この読書会が終わるころ(6月まで続きますw)には、コロナ感染が終息しているといいなぁ。。。)。
さてさて、かなりマニアックな読書会ですが、ご参加いただいている方の担当ページの纏めが、回を追うごとにプロくなってきております(笑)。
「世界標準の」かつ「経営理論」の専門書ですから、どの章をとってみても、新しいカタカナ言葉の専門用語が次から次へと出てくる(そしてそれは多々にして3文字の略される、例えば、「取引費用理論:TCE」とか「リソース・ベースド・ビュー:RBV」とか)ので、その言葉を追っかけるだけでも大変なのですけれど。

毎回、毎回、参加者の皆さんが図とか絵とかを駆使して、ビジュアルでとらえられるようにわかりやす~く纏めてくださるので、こんなに小難しい本なのに、なんとも理解が促進されることかっ!?
さらには、自分が一度読んだことを、図解とまとめ付きで説明してもらうので、さらに理解が深まります!!!
説明を聞きながら、疑問に思ったことや感じたことをチャットに書いて備忘録としたり、他の人のコメントに「はっ?!」としたり。。。
難しい本ほど、そして内容の濃い本ほど大勢で学びあうと、学びの幅が広がり深みも増すっていうのを体感中です(#^.^#)

7章の「取引費用理論(TCE)とは、簡単にいうと、どういう取引が最も適正コストでビジネスを成り立たせることができるか、ということなのだけど、そこには「ホールドアップ問題」っていう罠があってですね、これをいかに回避するかを考えるのがTCEのミソってことで。
本の中で例示されている「GMとフィッシャーボディ」の実例、図解して説明してもらうことで、さらにどういう仕組みで「ホールドアップ問題」が発生するのか、ってことがよ~くわかります。
(↓こんな風に纏めて発表し合います)

第7章(取引費用理論(TCE)での、参加者の皆様の気づきはこんな感じです。

  • 理論を知ると、感情が動くのは何故だろうか・・・あくまで合理性だよ、倫理はここでは論じないよ、は重々承知しているのだけど。でも構造を理解するには、思考の軸として理論は大事なこともすごく実感できている
  • トヨタはグローバル市場での販売で、取引コストが高いものは、すべて系列企業に移管しているよ。グループ全体で一つの企業みたいなもんか?そういう意味ではケミカル業界も同じかも。あ、でもケミカル業界は垂直統合じゃなくて、水平分業だから、ちょっと違う?垂直統合だと企業単位じゃなくて、業界単位で見れるね。マクロ的な視点で。
  • TCE理論は納得できる部分が多い合理性追及というあるいみ自然の流れを表しているリスクには誰もが対策したいと思う気持ちと同じか
  • 製造業のお客様が多かったので、外注か内製かの問題はよく議論していました。その背景の理論がわかったので、なるほどと思いました。TCE理論をベースに過去に起こった企業の選択を振り返ってみると面白い。製造業は外注してもそこをブラックボックスににしないように取り組んでいるのも合理的
  • TCEで企業組織の存在意義が定義できると言う考え方は、納得感あるし、画期的だし、様々な戦略を説明できると言う意味でも納得感あり
  • TCEを理解した上で、ビジネス上の判断を行うと成功確率が高くなりそうです。Google, Uberなどのインターネット企業が、短期間でグローバル展開できたのも取引コスト及びその他コストが低くなったからなし得た。アマゾンは、取引コストを下げるために物流の自前化を進めているのですね自分ごとだと、人事・給与システムの内製・外注を最近悩んでいるので、腹落ち感高しです


8章の「ゲーム理論」は、あまりにも有名ですねぇ。企業経営に携わっていて、ゲーム理論を知らない人はいないのではないかしら。
「ゲーム理論」とは、(本文から抜粋すると)「相手がある行動をとったら、自分はどう行動するか」あるいは「自分がある行動を取ったら、それに対して相手はどう行動するか」といった、相手の行動を合理的に予想しながら、互いの意志決定・行動の相互依存関係メカニズムと、その帰結を分析するもの」です。
”この世のかなりの部分はゲーム理論で説明できる”って、本書では書かれてますが、本当にそうだなぁ~って。

ゲーム理論と言えば「ナッシュ均衡:相手の行動の読み合い」ですが、エスカレーターで右に立つのか、左に立つのかも、このゲーム理論のおけるナッシュ均衡のなせるわざであるってことで、ナッシュ均衡は一度決まると安定して動かないとのこと。
組織の中には、なんでそうなったのかその理由が不明が「謎の習慣」や「謎の風習」がいっぱいあるけど、これらもすべてナッシュ均衡によって決まって安定して動かなくなったもの、ってのは、ちょっと目から鱗だった(笑)。

第8章(ゲーム理論①)での、参加者の皆様の気づきはこんな感じです。

  • ゲーム理論の「お互いの読み合い」を理論的に理解する、説明できるのは、戦略を立てる=市場とコミュニケーションするのにすごく役立つと感じた。自社と競争相手がどんな帰結を求めているのか?をシグナル出し合うことで、殺し合い(ベルトラン・パラドックス)にも、共創にも持ち込むことが可能なのでは。実は業界を支配している「上位のゲーム」がなかろうか、と一段上に上がって理解するのも良いのかも!
  • しばらくの間ナッシュ均衡をある意味保っていた、携帯電話市場が、最近、国の圧力でまたベルトラン競争に突入しつつありますね。携帯会社の動き、社内での検討ロジックはまさにゲーム理論的です。
  • ベルトラン・パラドックスは、避けにくいものなのではないか? 現実においては、他の要素もからんでパラドックスに陥らないように工夫しているのだと思いますが  寡占状態の業界って他はどうなんだろうか?エアライン、メガバンク・・・
  • ナッシュ均衡の例?家庭内離婚状態にある夫婦はナッシュ均衡なのか?お互いに合理的な選択の結果?
  • これらの理論によってさまざまな企業の戦略を自分なりに分析してみたい。何事にも背景があるということを知ることが大事
  • クールノー競争や、ベルトラン競争みたいなことは、実際の事業でも起こっているなという実感があります。ただ、増産するときにそれぞれのシナリオを描けていなかった。詳細なシナリオの計算はできていなかったものの、結局は過剰供給減益の道しか無かったのかもしれないと思いました。

この本を通じて、参加者の皆さんがそれぞれ持たれている背景や経験をからめて語り合うことで、さらにまた自分の視点や視野が広がるということを実感します。
他人の経験や背景からも、物事を見たり、考えたりすることがこんなに短時間でできるって、なんてお得なの~っ!って、心から思ってます(#^.^#)
ご参加いただいた皆様に感謝!
次回もまた、よろしくお願いします~

次回(1/14)は、経済学ディシプリン最後の回ですね。ゲーム理論②とリアル・オプション理論とは、また秀逸です(#^.^#)
ぜひ、参加してみたい、という方は以下からお申込みください!
(担当ページの割り振りをするので、申し込み期限は1/12正午です)

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