【開催しました】「世界標準の経営理論」読書会 第9章:ゲーム理論②・第10章:リアル・オプション理論

毎週木曜日の21:30~23:00は、マニアックな人たちが集まる読書会です(#^.^#)
今週も、1月15日に開催しました。

しかしまぁ、この読書会、内容も内容ですけれど、回を追うごとに参加者の皆さんの知識が増えるのと(当たり前だw)、参加者同士の共通言語と共通知識といコンテントの共有が増えるのに伴い、お互いの心理的な距離感が縮まって、プロセスレベルでの関係の質もどんどん上がって来ているのを感じております。
そしてこの双方のレベル(コンテントとプロセス)での質の向上によって、一人ひとりの気づきや学びにシナジーが生まれて行っているなぁ。。。と、しみじみ。

この本を読み終える頃には、長い旅路をご一緒した皆さんとはいったいどんな関係性になっているのか、そして一人ひとりがどれだけこの本の中の「世界標準の経営理論」を自分のものにしているのか、本当に楽しみです(#^.^#)

さて、今回は第1部「経済学ディシプリンの経営理論」の最後の2つ、ゲーム理論②とリアル・オプション理論でした。
この2つの理論を学んだことで、自分たちの周り、この二つの理論で説明できることが溢れているってことに気づき、いや~、対話の時間は盛り上がりましたよ~(*^^*)ホント、面白かったー!

ベルトラン競争は、現実の世界においては「無限繰り返しゲーム」なので、ベルトラン・パラドックスは起こらない、なぜならば、無限に価格競争を続けて利益を落とし続けるの不毛だし、相手もそう思っているはずだ、と考えて双方は合理的な判断の帰結として価格を下げなくなるからだ、ということだそうです。
この人の「合理的な判断」の帰結としての競争を止めるっていう事象、身の回りでは沢山起こってるよねって話で盛り上がりました。

第9章 ゲーム理論②の参加者の皆様の気づきはこんな感じです。

  • 経済学の合理的な結果としての「人を信頼する」の信頼は、ホントに「信頼」なのかなぁと思う。オキシトシンが出ない「信頼」か。
  • 戦略的に時間軸を活用して競争相手の行動を変える(誘導する)と、より高い利益を上げられる。ビジネス上でなんとなく当たり前に捉えていたことを、理論的に説明するとこういうことなのねと改めて思いました。
  • 無限繰り返しゲームにおける合理的帰結「信頼関係」については、それぞれの背景が違っているとうまくいかないこともありそう。例えば、国の違いで一方には補助金などの優遇策があったり、事業規模により、どうしても稼働率が必要という別の合理的選択の余地がある場合など、不毛な競争に陥る余地が残ってしまうのかなと。
  • 言い方が誤解を生むかもしれないけれど、一旦人間のめんどくさい(?)部分を削ぎ落して、合理的だとどうなるのか、を見極めておくのは後でとんでもない間違いを避けられるような気がしました。極端な例だと大量破壊兵器を作らないで済む、とか。あ、それって時間軸大事かも!
  • 競争と合理的な考え方のバランスというか妙な印象を受ける。人の心理は複雑だから? 時間をかけた戦いが前提だから、局地戦だけでなく長期戦で考えると面白いのか
  • 結局のところ、勝者と敗者が存在し、ゼロサムゲームを続ける限り、誰も幸せにならない。とはいうものの、米シリアル5社の事例って、それはそれでもやもやする。談合禁止と矛盾してるからか?

第8章のリアル・オプション理論は、イノベーションと親和性が高い理論であり、この理論を頭に入れておくことは、新規事業を起こしたり、新たな商品開発を行う上でものすごく有益なことだよね、という参加者の皆さんの共通認識と理解となりました。
特に盛り上がったのは、この「不確実性の4種類」についてでした。
現代社会は明らかにレベル4の状態であるにも関わらず、未だに思考がレベル1の人たちが戦略を考えたり、施策を練ったりしているから日本はいつまでたってもイノベーションが起こらない、ユニコーン企業が生まれない、という話で盛り上がりました!
この「レベル1党」にいる人たちをなんとかしないと、この国が終わるんじゃ。。。?
企業の中では「レベル1思考の人々」が力を持ってるから、このままだと組織は「緩慢な死」を迎えることになる。。。?
(実際の対話では、リアルな固有名詞が飛び交ってましたがwww)

参加者の皆さんの気づきはこんな感じです。

  • 日本企業の多くが、明日は今日の延長戦にあるレベル1であることを信じて、ビジネスやっている気がします。もしくは、レベル4で思考停止して、内部留保溜め込むか・・・撤退オプション持っていても、撤退の決断できず、低い利益に甘んじているビジネス多い。

  • オプションが何なのか分からないし、その意思決定もあやふやなので荒れるのか・・・コロナ対策は好(?)事例。レベル4に向かうスキルを学ぶ機会のど真ん中に今いるのですね。一旦はレベル4から考えるクセは必要かも。リーダーとメンバーがお互い何をどう見通しているのか、不確実性の4つのレベルを共有するだけでもかなり生産性が高まるはず。

  • Annyさんがコメントされていましたが、イノベーションとの親和性が高いと私も思います。ただ、今まで慣れ親しんできたものとの違いが大きいので、理解しにくいかもしれない。と思って現在追加学習中です。

  • 成功企業を真似をするときってできることはとても面白いし、企業にかからわず自分の直感的意思決定もさまざまな理論で根拠を説明できると考えられる。改めて成功企業を真似をするときって事象ドリブンで理論ドリブンでないことが多いなと思う
  • 現代社会は、まさにレベル4の状況なのに、リーダーたちに頭の思考はずっとレベル1やせいぜい2で止まったまま。状況も背景もスピードも複雑性も多様性もまったく違う世界の現実なのに、レベル1や2の状況を対処してきたやり方でいろいろやろうとするから、おかしいことになる。そして、成果が出ないよね、ってなって、何かを自分たちでやるのをやめて、何かのせいにしているから、緩慢な死を待つ状態となる
  • より不確実性が高まる今後においては、リアルオプションを思考の軸として、使いこなせたら、有効だよね、でも分析している間に市場が変化したり、どのような方向に進みたいのかと言う意志が重要な場面もあったりするから、目利き力や直感が必要になるのかな
  • 日本企業とグローバル企業の不確実性に対する対応に差があるのだろう リスクをネガティブ方向でしか捉えないことも表しているのかも 生理的に受け付けないってこともあるのか?

この本に書かれていることを理解することも楽しいのですが、それよりも紹介されている理論をトリガーにして、現代社会で起こっていることや自分たちの身の回りで起こっている事象について、参加者の皆さんとあ~でもない、こ~でもない、と言い合うことが何よりも楽しく、有意義な時間だと感じています(#^.^#)

次回(1/21)は、いよいよ理論の前提が変わります。第2部「マクロ心理学ディシプリンの経営理論」に入っていきます。
ぜひ、参加してみたい、という方は以下からお申込みください!
(担当ページの割り振りをするので、申し込み期限は1/19正午です)

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